陰陽五行説による中華王朝の遷移
香港で中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の審議が再開される逃亡犯条例に反対するデモが100万人規模で発生したとニュースに騒然としました。
中国には 陰陽五行説という思想があり、この思想にそって、歴代の王朝が世代交代をしてきたと言われています。
◆相生(順送りに相手を生み出して行く、陽の関係)
力関係は以下の通り
木→火(木は燃えて火を生む。)
火→土(物が燃えて灰が残り、灰は土に還る)
土→金(鉱物・金属の多くは土にあり、土を掘ることによってその金属を得る)
金→水(金属の表面には凝結により水が生じる)
水→木(木は水によって養われる)
◆相剋(相手を打ち滅ぼして行く、陰の関係)
木→土(木は根を張って土を締め付け、養分を吸い取って土地を痩せさせる)
土→水(土は水を濁す。土は水を吸い取り、水を堤防や土塁等でせき止める)
水→火(水は火を消し止める)
火→金(火は金属を熔かす)
金→木(金属製の斧や鋸は木を傷つけ、切り倒す)
さて中国春秋戦国時代を題材とした人気の高い漫画「キングダム」の秦帝国は、
黒い旗で黒い甲冑の黒の軍団・王朝です。
黒は五行では「水」の属性を持ちます。
その「秦」の時代の次に天下を争ったのは「楚」と「漢」でした。
当初は「楚」が優勢でしたが、最終的に「漢」が天下を獲りました。
相生の思想によると水(黒)→木(青)(木は水によって養われる)ため「楚」は木の属性で青の王朝ということになります。
その「楚」を倒した「漢」は木(青)→火(赤)(木は燃えて火を生む) で火の属性の赤の王朝ということになります。
三国志の時代の幕開け「後漢」では、黄巾党という黄色い旗印で叛旗を翻した軍団が登場しました。
「蒼天已死 黄天當立 歳在甲子 天下大吉」(蒼天既に死す、黄天まさに立つべし)
というスローガンは、相生思想の
火(赤)→土(黄)(物が燃えて灰が残り、灰は土に還る)から来たものではないかと考えます。(相剋思想だと辻褄が合わない)
すなわち火(赤)の属性「漢」を土(黄)の属性の「黄巾党」が天下を引き継ぐというものです。
ここで言う「蒼天」とは、漢王朝ではなく「天帝」の意味であり、
「蒼天を守る赤い王朝は既に死んで、黄色い王朝が起つべきだ」 という意味なのではないかと思われるのです。
※「蒼天の拳」でも北斗神拳は天帝を守護する拳法と説明されています。
この考えに沿って行くと
火(赤)→土(黄)→金(白)→水(黒)→木(青) のサイクルになりますので、天下統一した歴代王朝にその色を合わせていきます。
漢:火(赤)
魏:土(黄) (三国鼎立時代:魏/呉/蜀)
晋:金(白)
隋:水(黒)
唐:木(青)
宋:火(赤)
元:土(黄)
明:金(白)
清:水(黒)
中華民国:木(青)
中華人民共和国:火(赤)
中華民国(台湾)の旗は「青天白日満地紅旗」と呼ばれますので「青の王朝」
共産党の色:赤とも一致するとはなんという宿命でしょうかw
話が長くなりました。
この陰陽五行説の相生思想に基づくと次のサイクルは
火(赤)→土(黄)(物が燃えて灰が残り、灰は土に還る)
となるのです。
2015年に起こった13万規模のデモは「雨傘運動」と言われ黄色い傘を差したデモでした。※残念ながら鎮圧されましたが・・・
映画「乱世備忘~僕らの雨傘運動~」より
果たして、今回の香港でのデモが黄をイメージした「雨傘運動」の意志も組み込んで
「蒼天已死 黄天當立 歳在甲子 天下大吉」(蒼天既に死す、黄天まさに立つべし)
の狼煙となり時代が動いていくのか・・・・・見ものです。
※ひょっとしたら背後にアメリカ合衆国のFBIやCIAが関与しているのではないかとも疑ってしまいますけど・・・。
と また変な記事を書いてしまいました。